このブログを始めてからの2年の間、日本語に訳すと以下のような質問が一番多く寄せられてきました。

『パフューマー(調香師)になりたいのですが、どうすればいいのでしょう?』

勿論、このブログは、進路相談や職業訓練とは全く関係がなく、ほとんどの場合は一個人である私が(塩谷信/Nobi Shioya)香水業界のこと限らず、最近では、本来興味のあるデザインや建築についてまで、いい加減な英語で言いたい放題を申し上げている程度の気侭なものであり、寄せられてきたメッセージに対しても、多くの場合は返事をする事を怠ってきました。しかしながら、コメントを頂いた方とブログ上でやり取りをしている間に、その相手が相当な鼻の持ち主かもしれないと感じた場合は、世界最大手の香料会社との面接をセットアップしたというようなことも数回あり、そのうちの一人は、現在その香料会社専属の調香師を養成するための学校で、調香師になるべく猛勉強をしています。また、それとは反対に、返事を怠り申し訳ない立場にあるにもかかわらず、「このブログを毎回読んでいくうちに、自分は調香師になる以外に道はないのだと確信し、現在グラース(南フランス)の学校で勉強しています。有り難うございました。」というようなメールが、アメリカ人の若い学生から届いて嬉しく思ったこともあります。

どのようにすればパフューマー(調香師)になれるか、という情報を提供した英語の文献なりウェブサイトは、不思議なことにほとんどないのでしょう。ところが、グーグルで検索してみると、この質問に対して日本語で答えているウェブサイトはいくつかあるようです。日本での細かい事情については全く知りませんが、すぐに気が付くのは、日本で調香師と言った場合はフレーバリストも含まれ、英語で perfumer(パフューマー)と言った場合とは意味が少し異なってくることと、日本にはほとんど fine fragrance perfumer(香水調香師)が存在していないことから、「調香師」と言った場合に、職業としてのイメージがかなり異なるようであるということです。そこのところの違いを踏まえて概ね正しいと思われる答えを掲載しているサイトもあります。ここでひとつ付け加えるならば、世界的に見ても、もともとの求人枠が大きくはない職種ではありますが、今後は次第に日本を含めた東アジアからの調香師の比率が増えてくることは充分に予想されます。そのようなことから、先ずは調香の世界の最先端はどういうものであるかということを、断片的でも良いから少しづつ紹介していく中で、香水業界を担っていくことのできる、才能のある日本の若い人達に出会えればと願っています。

(私がどうして、ソフィア・グロスマンやジャック・キャバリエといった、日本でも天才として知られている調香師達を知り、何故秘密主義で知られる香水業界のことを好きなように喧伝できるのかということは、今暫くは秘密にしておきましょう。)

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