WHAT WE DO IS SECRET - Page 101

our profession is based on the notion of secrecy

オリヴィエ・ポルジュの「嘉永六年」

Olivier Polge

日本の香水のマーケットについて調べているうちに、江戸の鎖国政策をふと連想した。

消費者が日本の外で起こっていることを知らないでいられる状態や、外から入ってくるものや情報が著しく限られている状況を作っているのはいったい何なんだろうか。

厚生労働省の規制というのもあるだろうが、他のいくつかの要因も加わって、一種独特な環境が出来上がっているように思える。

暫く、新しい香り/匂いをつくることに関わる興味が失せていたが、久しぶりに新作への意欲が高まってきた。

テーマは「嘉永六年」。調香師はジャック・ポルジュの息子で、最近はケンゾーパワーを手掛けたオリヴィエ・ポルジュに頼もうと考えている。

オリヴィエ・ポルジュとは、数年前にシンガポールでの展覧会でコラボレートする予定でいたが、主催者側の予算問題の為にそれを果たせなかった。その時に「非常に残念だ。いつか一緒に仕事をできるのを楽しみしている。」と言っていたので良い機会だろう。

父親の引退後に、オリヴィエ・ポルジュがシャネルを引き継ぐことになれば、彼とは仕事をすることはできないだろうから、今のうちにやっておかないと後悔することになるかもしれない。

先ずは、昔好きだった「嘉永六年六月四日」を、彼に聞かせることから始めよう。

下克上:高砂香料の野望2

昨日、久しぶりに調香師/パフューマーに関する投稿をした。クリストフ ロダミエル/Christophe Laudamielがニューヨーク近代美術館に於いて、デザインや建築に関わる内容の講演を行った時のビデオだ。これだけこのブログに相応しい内容もそう滅多にはないだろう。

調香師の仕事ということを、デザインという観点から考え語れる調香師は、業界中どこを見回してもロダミエルぐらいしかいないと思う。最近、高砂香料がロダミエルに接近したという話を本人から聞いた。高砂香料は調香師だけでなく、他の人材も積極的に物色中のようだ。

景気が悪くなった時に、最もその煽りを受ける企業が一番注意しなくてはならないのは、企業内で最も有能な人間を他に奪われる事である。「蟻ときりぎりす」というふたつのタイプに分けるとすると、日本企業である高砂香料は典型的な蟻さんである。三大香料会社に比べ、高砂香料は長期的な展望を非常に大切にしてきている。逆に一番きりぎりす的(つまり目先の利益しか考えていない)なのはアメリカの企業であり、この景気の悪さが致命的な結果を招くことも考えられる。

高砂香料が今後のファインフレグランスの衰退を予測しつつ、全く新しいマーケットが形成されていくことを確信した上で人材獲得を計っているのだとすると、高砂香料とフィルメニッヒの激しいトップ争いを見れる日はそう遠くないのかもしれない。