WWDIS Blog - Page 86

She’s back…

A late ’70s icon who was the inspiring muse of creative minds like Jean-Paul Goude and Issey Miyake is back with a new album Hurricane due out in October.

Anaïs Anaïs by Cacharel と Z11

Z11:エクスクルーシブな合成香料 その2(謎めいてエクスクルーシブなタイプ)
車の名前のようですが、Z11とはある香料分子に付けられた名前です。最近まではフィルメニッヒ/Firmenichのパフューマー(調香師)以外は、誰もZ11そのものだけの匂いを嗅いだことがなかったと言われています。特許期限が切れてから少なくとも10年は経つと思われるので、現在は他でも同じ分子構造の香料を作っている可能性はありますが…

ドライなウッディノートを持つZ11が、初めてそれとわかるような使い方をされた香水と言えば、1978年に発表されたキャシャレル アナイス アナイス/Cacharel Anaïs Anaïsでしょう。この香水が大ヒットをした後、フィルメニッヒに於いて他の香水の中にもZ11が使用されるケースが急激に増加したことは言うまでもありません。Z11は長年フィルメニッヒの「切り札」として、フィルメニッヒ専属の調香師だけが使うことのできた香料なのです。特許がまだ有効だった期間は、多分その呼び名すら知られていなかったのでしょう。

こういう原材料は『きゃぷてぃぶ』と呼ばれ、例えばジボダン/Givaudanものなら、ジボダンの調香師しかその匂いを知りません。そうは言っても、他の企業がジボダンの手掛けた香水をGC(ガスクロマトグラフ)にかければ、見たことのない分子があるようだという事には気が付きますので、例えば、「ジボダンはどうやら新種のムスクを持っているらしい」というような噂が、ジボダン以外の香料会社の調香師達の間に広まるわけです。(都合上この段落中カタカナであるべき部分が平仮名になっております。)

見えないものだけに、なおさら謎めいていて、どうしても知りたいという気持ちをかき立てられませんか?



“share the secret…”

Calone®

Calone®:エクスクルーシブな合成香料 その1(それほどエクスクルーシブでないタイプ)
前回は、ラボラトリー モニーク レミー/laboratoire monique rémyのエクスクルーシブな天然香料について少し触れましたが、エクスクルーシブな合成香料についても触れてみたいと思います。先ずは、それほどエクスクルーシブではないのものなのですが、出所が限られている香料ということで紹介します。

マリンノートを持つ分子として知られ、L’eau d’Isseyや他のアクア系の香水に欠くことのできない合成香料にCalone®(カロン)があります。現在の登録商標所有企業はフィルメニッヒ/Firmenich。その前はダニスコ/Daniscoでしたが、昨年ダニスコの香料部門をフィルメニッヒが買い取った時点でCalone®の商標もフィルメニッヒの方へ移りました。

Caloneという名前をつけられることになった分子が、ファイザー/Pfizerで発見されたのは1966年のことです。実際にこの分子が日の目をみるまでには大分長い時間があったことは、アメリカでの登録商標の申請が1983年になって初めてされていることからも明らかでしょう。”First use Apr. 9, 1980″ となっていますので、研究室の隅で14年間埃でも被っていたのでしょうか。「匂いの帝王」の主人公としても知られている科学者ルカ トゥリン/Luca Turin氏による、Calone®の簡単な歴史に触れた非常に面白い記事があります。

随分昔に特許期限は切れてしまっているので、中国やインドなどでも同じ分子を製造しているのかもしれませんが、例えばジボダン/GivaudanやIFF (International Flavors and Fragrances)の調香師達は、Calone®としてフィルメニッヒから仕入れたものを使っています。やはり品質の問題があるからでしょうか。しかしながらジボダンやIFFにしてみれば、自社製のもので全てがまかなえれば願ってもないことです。それぞれの研究開発部門はCalone®よりも優れた香料分子の発見に努めていることは間違いないでしょう。

続く。。。

Ambroxan と Ambrox

(前回の続きは、次回にさせて頂きます。)

現在花王株式会社が買収した化学会社が製造をしているAmbroxanという、非常に高価ながら人気の高い合成香料と、フィルメニッヒ/Firmenichの製造するAmbrox (Ambrox DL)という、名前だけでなく香りもAmbroxanと非常に似た香料があります。素人の鼻には多分このふたつの香料の区別はつかないでしょうが、幾人かのパフューマー(調香師)に意見を聞いてみたところ、皆口を揃えてAmbroxanの方が遥かに優れているという答えが返ってきました。しかしながら、Ambroxがあのジャック キャバリエ/Jacques Cavallierの大のお気に入りの香料であり、彼の作品に頻繁に使われるという事を聞いているものですから、Ambroxanの方が優れているのだという他のパフューマー(調香師)達の意見を鵜呑みにしてしまう前に、一度自分の鼻で比較してみることにしました。

比べた結果、ふたつは非常に似た香りなのですが、全く逆の印象を受けるというのが私の感想です。Ambroxanというのは、非常にパワフルでクリーンな香りなのですが、どこか品に欠けてチープな感じが残るのが気になって仕方がありません。それに対しAmbroxは、他のフィルメニッヒ製の香料にしばしば見られる、エレガントで格調の高い印象がどこからとなく漂います。普段は難しい化学の話には一切興味が無いのですが、こうなってくるとはっきりとした違いを知らずにはおられませんので、パフューマー(調香師)達の中でも特に化学に強いクリストフ ロダミエル/Christophe Laudamielに説明をしてもらうことにしました。

続く。。。

ラボラトリー モニーク レミー/Laboratoire Monique Rémy

いまどき南フランスのグラースが、世界の香水製造の中心地だと信じている人はいないと思います。事実というのは、実際は何のロマンも感じられない場合が多いのでしょうが、今日世界の香水業界の中心となっているのは米国のニュージャージー州なのです。マンハッタンの川向こうであるニュージャージーがどのような場所か御存知の方ならば、この事実が合成香料の需要の大きさを物語っている事をお分かりになるでしょう。

それでは、グラースは昔程重要な場所ではないのでしょうか? とんでもない! グラースから供給される天然香料が、今日ほど良質で純度の高かった時代は今までありませんでした。これには勿論技術の進歩ということもありますが、それ以上に「品質改善」という事に使命を抱いたモニーク・レミー/Monique Rémy という一人の女性の功績によるところが大きいのです。80年代のはじめにシャネルのケミストであったモニーク・レミーは、毎日のように手にするグラースからの「純天然」であるはずの天然香料に合成香料が混入されている事実に疑問を持った為、偽りのない品質の香料を自分で開発する決意を持ちました。彼女は、1984年にラボラトリー モニーク レミー/Laboratoire Monique Rémy(通称 L.M.R. )という香料会社をグラースに設立することにより腐敗したグラースの香料業界に一石を投じ、僅か10数年の間に世界最高の天然香料の供給元としての地位を築いただけではなく、グラースの香料業界全体の倫理意識の改善に成功したのです。

2000年に引退をするにあたり、モニーク レミーは自分の設立した会社の将来を慎重に考えた結果、当時世界最大の香料企業であったInternational Flavors & Fragrances Inc.(通称 IFF)に会社を売却しました。現在ラボラトリー モニーク レミーは、重要なクライアントのひとつであるシャネル/Chanelの為に特別品種のバラを栽培し、そのバラから採取される香料をシャネルにのみ供給していると言えば、シャネルの香水がどれだけ特別なものなのかお分かりいただけるでしょう。ジャン クロード エレナ/Jean Claude Ellena もエルメス/Hermèsの専属調香師に就任して以来、ラボラトリー モニーク レミーに頻繁に足を運んでいるようですから、エルメスだけの為に製造している天然香料があるものと思われます。高級ブランドにとり、ラボラトリー モニーク レミーのエクスクルーシブな原材料を使っているかどうかという事は、ブランドの格付けにも関わってくることなのです。エクスクルーシブな天然香料ではありませんが、天才ソフィア グロスマン/Sophia Grojsmanが創った一番新しいバージョンの(現在販売されているもの)100% LOVE®も、ラボラトリー モニーク レミーからの非常に高価な天然香料をふんだんに使っております。少し、自慢をしてしまいました…(笑笑)

続く。。。

天然と合成

『合成香料は骨で、天然香料は身(肉)である』という事を言ったパフューマー(調香師)がいます。これは、ある意味で的を得た表現だと言えるでしょう。『100%ナチュラル』、つまり天然香料だけを使ったものが最高などということは、少なくとも香水ではあり得ない事です。まともなパフューマー(調香師)なら、天然香料の魅力は合成香料が合わさり、初めて最高の魅力を輝き放つことを充分に理解しています。また、合成香料によって初め生まれたノートというものも数限りなくあります。つまり調香の可能性と技術というものは、合成香料の登場により格段に進歩したわけです。

この数年で欧米の香水市場にもナチュラル志向の波が多少押し寄せてきています。注意してみると、「天然」という言葉を声高らかに唱っているは、アマチュアの香水作りか小さい香水メーカーの場合がほとんどのようです。ナチュラル志向を一概に批判するつもりはありませんが、「合成香料は天然香料に劣る」というような、そもそも比較しても意味のない事をヒステリックに喚き、天然信奉を押し広めることに躍起になる輩が増えてきているのは閉口します。

こういうことをアジっているのは、自称パフューマー(調香師)の場合が多く、半ば被害妄想のようなトーンで合成香料を諸悪の根源と決めつけているのを見ると気の毒な感じにすらなります。彼等を弁護するつもりは全くありませんが、被害者のような気分にならざるを得ない状況が存在している事は確かです。一流の香料企業に所属していないパフューマー(調香師)にとっては、手に入れられる香水の原材料、つまりフレグランス(香料)の種類が非常に限られている上、比較的入手の容易な天然の原材料の場合は、それが表向き純天然だと言われていても、実は合成香料や他の不純物が混ぜられている場合が多いのです。その反対に魅力のある合成香料とか、特殊なアクセントをつけるのに不可欠な合成香料というものは、往々にして入手が不可能だったり、入手ができたとしてもそれが新鮮なもの(合成にも鮮度というものがあります)なのかどうかがわからない場合がほとんどです。

南フランスのグラース(Grasse)というのは、優れた香水の原材料のメッカのように思われていますが、少し以前までは、ほとんどのグラースの香料会社が純天然と偽り合成香料を混ぜていいたという事をどれだけの人が知っているのでしょう… 私がニューヨークで時々世話になるユダヤ人の歯科医は、治療だけでなく日本語も上手なのですが、治療費があまりに高いので、ある時南フランスを旅行する際に現地で治療をしてもらうことを考えた事がありました。その歯科医に、レントゲン写真をフランスに持っていきたいという事を伝えたところ、「いいですよぉ。でも、南フランスは嘘つきばかりだから、気をつけないとボラれるちゃうよ。」と流暢な日本語で言っていた事を思い出します(笑)。

続く。。。

subtle and clever

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who: Saatchi and Saatchi New York
what: Procter & Gamble Head and Shoulders ad

Eugenio Recuenco: Making of Nina Ricci

美大の彫刻科と工芸科専攻の学生なら一度は経験したものに、撮影用の大道具・小道具の制作というアルバイトがありました。雑誌広告やテレビコマーシャルの華やかなイメージからはなかなか想像のつき難い、臭く、埃っぽく、様々の汚れのこびり付いた作業場で、搬入日の朝を迎えるというのが普通でした。撮影終了後、軽トラに粗大ゴミとなってしまった「作品」を積み込み処分するという最後の任務を待ちつつ、スタジオの隅で目を擦りながら、ぼぉっとした頭でこういう撮影現場を眺めたのを懐かしく思います。

The final cut