WWDIS Blog - Page 90

パフューマー(調香師)になりたい 2

(都合上、一部のことばを漢字に変換せずに「かぎかっこ」で括ってあることをご了承ください)

調香師の「しゅうにゅう」について、以下のような記述をしている日本語のサイトがありました。

『どんなに優れたパフューマーでも企業内で働くケースが多いので、収入は一般のサラリーマンやOLと大差はない。企業によっては12万円程度の職能手当がつくこともある。』

これは日本に限った場合のことなのでしょうが、いつまたってもピラミッドの上の部分が見えない状態というのも、いろいろな分野での国際的な交流が進んでいる昨今を考えると、少し寂しいことだと思います。

世界のトップレベルの調香師のほとんどが、企業に所属していることは動かし難い事実です。天才と呼ばれるジャック キャバリエだって「きゅうりょう」取り。では、いくらぐらい貰っているのでしょう? もちろん本人とフィルメニッヒの一部の人間しか知らないはずの事ですので、あくまで憶測になりますが、「にほんえん」にすると「ねんしゅう」は「いちおくえん」かそれ以上でしょう。現在ユーロが強いですから、パリを拠点にしている調香師の方がニューヨークにいる調香師よりも高い額の「きゅうりょう」を貰っているようです。

以前にこのブログで、ジボダンやフィルメニッヒの調香師になることは、アーティストとして成功することよりもずっと難しいことだというようなことを書いたことがあります。各社毎年一人か二人のジュニアパフューマーしか採用しない事を考えると(最近若い日本人女性が採用されたケースもあります)、一流のパフューマーとして仕事をできるようになる事自体が狭き門なことは間違いのない事実でしょう。知り合いのジュニアパフューマーを例に挙げると入社後3年めぐらいの「きゅうりょう」が「いっせんまんえん」ぐらい、年齢にして28、29歳ぐらいの時です。期待通りの仕事をしていくと、30の半ばにはその倍以上になるというのが普通だと思います。30の後半ぐらいからはトップレベルの調香師とはいえ、それぞれの仕事の成果にも大分開きが出てくる時期なので、「ねんしゅう」の方もかなり違いが出てくるようです。これも憶測ですが、中堅になると仕事の成果によって「にせんまんえん」以上の開きがでてくるのではないかと思われます。

シャンプーや石鹸などのトイレタリー分野の調香師というのは、香水に比べると華やかさには欠けますが、企業の売り上げの面から考えると香水以上に需要な部門である為、香水調香師の「きゅうりょう」のような開きはないようですが、平均的なレベルでの比較をするとだいたい香水調香師と同等の「きゅうりょう」を貰っているようです。

調香師の世界も、ピラミッドの上の部分になると、想像以上に良い待遇だとは思いませんか?

 

Perfumers and Model in the Studio



There is a famous woodcut by Dürer called “Artist and Model in the Studio.”

I am working on a series of prints portraying the relationship between perfumers and a skin model which will be a part of my new project.

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香水というのは、ブロターという紙に吹き付けた場合と、人の肌に吹き付けた場合の両方を確かめながら作っていきます。この写真は、スキンモデル(その妖しげな響きが何とも言えません)を使ってパフューマー(調香師)達が試験作を比べているところです。比率的に男性のパフューマー(調香師)の方が多い為でしょうか、スキンモデルに選ばれるのは美人が多いようです。

Tokyo



The essence of concrete and steel mixed with the smell of humidity

パフューマー(調香師)になりたい

このブログを始めてからの2年の間、日本語に訳すと以下のような質問が一番多く寄せられてきました。

『パフューマー(調香師)になりたいのですが、どうすればいいのでしょう?』

勿論、このブログは、進路相談や職業訓練とは全く関係がなく、ほとんどの場合は一個人である私が(塩谷信/Nobi Shioya)香水業界のこと限らず、最近では、本来興味のあるデザインや建築についてまで、いい加減な英語で言いたい放題を申し上げている程度の気侭なものであり、寄せられてきたメッセージに対しても、多くの場合は返事をする事を怠ってきました。しかしながら、コメントを頂いた方とブログ上でやり取りをしている間に、その相手が相当な鼻の持ち主かもしれないと感じた場合は、世界最大手の香料会社との面接をセットアップしたというようなことも数回あり、そのうちの一人は、現在その香料会社専属の調香師を養成するための学校で、調香師になるべく猛勉強をしています。また、それとは反対に、返事を怠り申し訳ない立場にあるにもかかわらず、「このブログを毎回読んでいくうちに、自分は調香師になる以外に道はないのだと確信し、現在グラース(南フランス)の学校で勉強しています。有り難うございました。」というようなメールが、アメリカ人の若い学生から届いて嬉しく思ったこともあります。

どのようにすればパフューマー(調香師)になれるか、という情報を提供した英語の文献なりウェブサイトは、不思議なことにほとんどないのでしょう。ところが、グーグルで検索してみると、この質問に対して日本語で答えているウェブサイトはいくつかあるようです。日本での細かい事情については全く知りませんが、すぐに気が付くのは、日本で調香師と言った場合はフレーバリストも含まれ、英語で perfumer(パフューマー)と言った場合とは意味が少し異なってくることと、日本にはほとんど fine fragrance perfumer(香水調香師)が存在していないことから、「調香師」と言った場合に、職業としてのイメージがかなり異なるようであるということです。そこのところの違いを踏まえて概ね正しいと思われる答えを掲載しているサイトもあります。ここでひとつ付け加えるならば、世界的に見ても、もともとの求人枠が大きくはない職種ではありますが、今後は次第に日本を含めた東アジアからの調香師の比率が増えてくることは充分に予想されます。そのようなことから、先ずは調香の世界の最先端はどういうものであるかということを、断片的でも良いから少しづつ紹介していく中で、香水業界を担っていくことのできる、才能のある日本の若い人達に出会えればと願っています。

(私がどうして、ソフィア・グロスマンやジャック・キャバリエといった、日本でも天才として知られている調香師達を知り、何故秘密主義で知られる香水業界のことを好きなように喧伝できるのかということは、今暫くは秘密にしておきましょう。)

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蔡國強 (Cai Guo-Qiang)

Cai Guo-Qiang has been known as 蔡國強 in Japan, and many (or most?) of us still pronounce his name ‘さい・こっきょう’, which sounds terribly different from the real pronunciation. The way he is called in the US is closer to Chinese, but I suppose the artist wouldn’t mind the way Japanese call his name since he had spent the early part of his career in Japan (before moving to New York) long enough to think he has a Japanese name. What is probably most important about his name is the meaning of it, and as a Japanese, I see the two characters of his given name as awe-inspiring, just like his art. 國強 means “Powerful Nation.”



Cai Guo-Qiang/ I Want to Believe @ Guggenheim Museum
(Link to the visual documents of the incredible installation process at Guggenheim Museum)

Perfumer/ 調香師(パフューマー)

この数年、Perfumer 即ち調香師(パフューマー)という職業に対する興味が、日本でも少しづつ高まってきている印象を受けますが、試しに「調香師」なり「パフューマー」という言葉を検索してみると、誤った情報が多いことに驚かされます。このブログには、アメリカ、ヨーロッパ、ロシアからの調香師に関する情報の問い合わせが頻繁にありますが、日本からの問い合わせがほとんどないというのは、英語のサイトであるから致し方が無いことなのでしょう。そうは言うもの、誤った情報があまり広まってしまっても、調香師を目指したいと考えている日本の若い人達にとっては気の毒なことですので、このブログを使い少しづつ正確な情報を提供していきたいと考える次第です。

Is perfumery art?

I noticed that I haven’t posted about perfume for a while. I spent most of the time thinking about a new project related to perfumers and perfumery this week and felt comfortable posting something related.

Last weekend my two sons had an annual play date with Les Christophs (Christophe Laudamiel and Christoph Hornetz) at home, and I had an opportunity to speak with perfumer Christophe Laudamiel on various subjects including art and design. Laudamiel is one of the few perfumers (if not only) who is trying to think perfumery outside the realm of commercial perfumery or a mere scent making. The most interesting discussion with him was on the possibility for the perfumery to be recognized as art.

Perfumery is not art in today’s context. For example, we cannot speak about perfumery as we speak about contemporary art. Perfumery is still like 18th or 19th century art. As Laudamiel pointed out to me, I too believe that finding the answer to this issue will ultimately take the commercial perfumery to the next level.

I also found an interesting article by chance addressing a similar issue. Here is the link where you can download the article.