Calone®:エクスクルーシブな合成香料 その1(それほどエクスクルーシブでないタイプ)
前回は、ラボラトリー モニーク レミー/laboratoire monique rémyのエクスクルーシブな天然香料について少し触れましたが、エクスクルーシブな合成香料についても触れてみたいと思います。先ずは、それほどエクスクルーシブではないのものなのですが、出所が限られている香料ということで紹介します。

マリンノートを持つ分子として知られ、L’eau d’Isseyや他のアクア系の香水に欠くことのできない合成香料にCalone®(カロン)があります。現在の登録商標所有企業はフィルメニッヒ/Firmenich。その前はダニスコ/Daniscoでしたが、昨年ダニスコの香料部門をフィルメニッヒが買い取った時点でCalone®の商標もフィルメニッヒの方へ移りました。

Caloneという名前をつけられることになった分子が、ファイザー/Pfizerで発見されたのは1966年のことです。実際にこの分子が日の目をみるまでには大分長い時間があったことは、アメリカでの登録商標の申請が1983年になって初めてされていることからも明らかでしょう。”First use Apr. 9, 1980″ となっていますので、研究室の隅で14年間埃でも被っていたのでしょうか。「匂いの帝王」の主人公としても知られている科学者ルカ トゥリン/Luca Turin氏による、Calone®の簡単な歴史に触れた非常に面白い記事があります。

随分昔に特許期限は切れてしまっているので、中国やインドなどでも同じ分子を製造しているのかもしれませんが、例えばジボダン/GivaudanやIFF (International Flavors and Fragrances)の調香師達は、Calone®としてフィルメニッヒから仕入れたものを使っています。やはり品質の問題があるからでしょうか。しかしながらジボダンやIFFにしてみれば、自社製のもので全てがまかなえれば願ってもないことです。それぞれの研究開発部門はCalone®よりも優れた香料分子の発見に努めていることは間違いないでしょう。

続く。。。