WWDIS Blog - Page 89

John Burnham Schwartz

In summer of 1987, I met a handsome Harvard student in Tokyo. He was staying in Japan during the summer break. I don’t remember why he wanted to visit Japan but clearly do remember what he wanted to become. He was still twenty-one or so and was in his undergraduate years. When I asked if he wanted to become a lawyer like his father, he simply replied, “No, I want to be an author.” It sounded naive, but his eyes looked determined.

We didn’t stay in touch after he had returned to the States, but I had remembered those eyes and his name ‘John B. Schwartz’ for years. About ten years ago, when I introduced myself to a woman at a friend’s party in Brooklyn, she immediately recognized that I was Japanese because of the book she had read. The story took place in Japan, and she told me that one of the characters in that book had the same name (Nobi) as mine. A few days later, when I got a copy of the book, I was grinning and laughing.

Last night we had a dinner with Ron Winnegrad (The head of IFF perfumery school) and his wife Robin. Ron has quite an interesting personal background – his father was a manager for known prize fighters, and he was babysat by them as a child. His looks and his way of thinking seem to belong to an artist rather than someone who runs a very exclusive and successful perfumery school, and of course that is why I always enjoy seeing him. I am always interested in hearing about the young and talented future perfumers. This time Ron told me about a young student from Brazil whose story reminded me of John B. Schwartz, which made me think that a real determination often appears in a very innocent manner.

Becoming a perfumer for known houses could be more difficult than becoming a successful author, but you will get there if you are disciplined and determined enough.

*****

本当の香水調香師になることは、作家として成功することよりも困難なことかもしれません。しかし、強い決心と集中力があれば、日本人であっても世界の檜舞台で活躍する道は開けてきます。

Correction and Addition

I am probably was wrong about the news on Takasago yesterday. It might be It’s Firmenich. Many rumors are circulating in the secretive industry. It’s simply fun to speculate on the rumors. The Givaudan kingdom is in turmoil (this is almost certain), and what I’m hearing seems to be the beginning of a bigger story.

Firmenich may be the one laughing in the end, but many people there, including Jacques Cavallier and Annick Menardo, must have been in tears to see Thierry Wasser leave Firmenich earlier this week.

Thierry, Google your name. This is for you.



*****

高砂が新しい調香師を獲得したというのニュースは誤報でした。この数日間、主に世界のトップレベルの調香師達の間でいろいろな噂が飛び交っています。2006年の秋にクェスト社を買収し、世界最大の香料会社となったジボダンが、この先も何人かの調香師を失うことになる模様。すでにジボダンからフィルメニッヒに2人の調香師が移籍することになっているようですが、その他に数名の有名な調香師達の今後の動向についていろいろな噂が流れています。高砂がこの機に乗じて何かの動きを見せてくれると、今後の香水業界のビジネス展開が面白くなると思うのですが…

さて、先に述べたようにフィルメニッヒの調香師ティエリー ワッサー(Thierry Wasser)が、ゲラン(Guerlain)の調香師、つまりあのジャン ポール・ゲランの後任になるというニュースには驚かされました。ゲランが正式な発表をするまでにはまだ時間があるので、詳しい話はひかえておきますが、1年程前にLVMH社が(ゲランの親会社)がティエリーにアプローチしたという話を聞いていましたから、かなり慎重な話し合いが進められたものと思われます。ティエリーのパワフルで飛び切りイカした調香のスタイルを思うと、ゲランの今後が楽しみで仕方がありません。

Damn, I Was Right!

Yo, Thierry!

I knew it, I knew it, I knew it!!

Do you remember what I predicted 3 years ago?

… man, you’re the best.

A huge congratulations !!!

Nobi

(what a day…)

*****

3年程前にフィルメニッヒ(Firmenich)の調香師ティエリー ワッサー(Thierry Wasser)に「お前は、そのうちゲラン(Guerlain)の調香師になるよ。」と言って茶化したことがありました。いやぁ、本当のことになってしまいました。6月の初旬に正式に発表されるはずです。

パフューマー(調香師)になりたい 2

(都合上、一部のことばを漢字に変換せずに「かぎかっこ」で括ってあることをご了承ください)

調香師の「しゅうにゅう」について、以下のような記述をしている日本語のサイトがありました。

『どんなに優れたパフューマーでも企業内で働くケースが多いので、収入は一般のサラリーマンやOLと大差はない。企業によっては12万円程度の職能手当がつくこともある。』

これは日本に限った場合のことなのでしょうが、いつまたってもピラミッドの上の部分が見えない状態というのも、いろいろな分野での国際的な交流が進んでいる昨今を考えると、少し寂しいことだと思います。

世界のトップレベルの調香師のほとんどが、企業に所属していることは動かし難い事実です。天才と呼ばれるジャック キャバリエだって「きゅうりょう」取り。では、いくらぐらい貰っているのでしょう? もちろん本人とフィルメニッヒの一部の人間しか知らないはずの事ですので、あくまで憶測になりますが、「にほんえん」にすると「ねんしゅう」は「いちおくえん」かそれ以上でしょう。現在ユーロが強いですから、パリを拠点にしている調香師の方がニューヨークにいる調香師よりも高い額の「きゅうりょう」を貰っているようです。

以前にこのブログで、ジボダンやフィルメニッヒの調香師になることは、アーティストとして成功することよりもずっと難しいことだというようなことを書いたことがあります。各社毎年一人か二人のジュニアパフューマーしか採用しない事を考えると(最近若い日本人女性が採用されたケースもあります)、一流のパフューマーとして仕事をできるようになる事自体が狭き門なことは間違いのない事実でしょう。知り合いのジュニアパフューマーを例に挙げると入社後3年めぐらいの「きゅうりょう」が「いっせんまんえん」ぐらい、年齢にして28、29歳ぐらいの時です。期待通りの仕事をしていくと、30の半ばにはその倍以上になるというのが普通だと思います。30の後半ぐらいからはトップレベルの調香師とはいえ、それぞれの仕事の成果にも大分開きが出てくる時期なので、「ねんしゅう」の方もかなり違いが出てくるようです。これも憶測ですが、中堅になると仕事の成果によって「にせんまんえん」以上の開きがでてくるのではないかと思われます。

シャンプーや石鹸などのトイレタリー分野の調香師というのは、香水に比べると華やかさには欠けますが、企業の売り上げの面から考えると香水以上に需要な部門である為、香水調香師の「きゅうりょう」のような開きはないようですが、平均的なレベルでの比較をするとだいたい香水調香師と同等の「きゅうりょう」を貰っているようです。

調香師の世界も、ピラミッドの上の部分になると、想像以上に良い待遇だとは思いませんか?

 

Perfumers and Model in the Studio



There is a famous woodcut by Dürer called “Artist and Model in the Studio.”

I am working on a series of prints portraying the relationship between perfumers and a skin model which will be a part of my new project.

*****

香水というのは、ブロターという紙に吹き付けた場合と、人の肌に吹き付けた場合の両方を確かめながら作っていきます。この写真は、スキンモデル(その妖しげな響きが何とも言えません)を使ってパフューマー(調香師)達が試験作を比べているところです。比率的に男性のパフューマー(調香師)の方が多い為でしょうか、スキンモデルに選ばれるのは美人が多いようです。

Tokyo



The essence of concrete and steel mixed with the smell of humidity

パフューマー(調香師)になりたい

このブログを始めてからの2年の間、日本語に訳すと以下のような質問が一番多く寄せられてきました。

『パフューマー(調香師)になりたいのですが、どうすればいいのでしょう?』

勿論、このブログは、進路相談や職業訓練とは全く関係がなく、ほとんどの場合は一個人である私が(塩谷信/Nobi Shioya)香水業界のこと限らず、最近では、本来興味のあるデザインや建築についてまで、いい加減な英語で言いたい放題を申し上げている程度の気侭なものであり、寄せられてきたメッセージに対しても、多くの場合は返事をする事を怠ってきました。しかしながら、コメントを頂いた方とブログ上でやり取りをしている間に、その相手が相当な鼻の持ち主かもしれないと感じた場合は、世界最大手の香料会社との面接をセットアップしたというようなことも数回あり、そのうちの一人は、現在その香料会社専属の調香師を養成するための学校で、調香師になるべく猛勉強をしています。また、それとは反対に、返事を怠り申し訳ない立場にあるにもかかわらず、「このブログを毎回読んでいくうちに、自分は調香師になる以外に道はないのだと確信し、現在グラース(南フランス)の学校で勉強しています。有り難うございました。」というようなメールが、アメリカ人の若い学生から届いて嬉しく思ったこともあります。

どのようにすればパフューマー(調香師)になれるか、という情報を提供した英語の文献なりウェブサイトは、不思議なことにほとんどないのでしょう。ところが、グーグルで検索してみると、この質問に対して日本語で答えているウェブサイトはいくつかあるようです。日本での細かい事情については全く知りませんが、すぐに気が付くのは、日本で調香師と言った場合はフレーバリストも含まれ、英語で perfumer(パフューマー)と言った場合とは意味が少し異なってくることと、日本にはほとんど fine fragrance perfumer(香水調香師)が存在していないことから、「調香師」と言った場合に、職業としてのイメージがかなり異なるようであるということです。そこのところの違いを踏まえて概ね正しいと思われる答えを掲載しているサイトもあります。ここでひとつ付け加えるならば、世界的に見ても、もともとの求人枠が大きくはない職種ではありますが、今後は次第に日本を含めた東アジアからの調香師の比率が増えてくることは充分に予想されます。そのようなことから、先ずは調香の世界の最先端はどういうものであるかということを、断片的でも良いから少しづつ紹介していく中で、香水業界を担っていくことのできる、才能のある日本の若い人達に出会えればと願っています。

(私がどうして、ソフィア・グロスマンやジャック・キャバリエといった、日本でも天才として知られている調香師達を知り、何故秘密主義で知られる香水業界のことを好きなように喧伝できるのかということは、今暫くは秘密にしておきましょう。)

このブログにある調香師/香水に関する全ての記事をみる